
ドメイン移転は、SEO評価やトラフィックを維持するために慎重な計画と実行が必要です。誤った手順は検索順位の低下やユーザー離脱を招きます。
本記事では、旧ドメインから新ドメインへのスムーズな移転の手順をご紹介します。301リダイレクトの設定、URLマッピング、Google Search Console(GSC)のアドレス変更ツールの活用、はてなブログなどCMSでの注意点までを網羅して解説いたします。
- ドメイン移転の全体像:成功パターンの5ステップ
- スケジュールイメージ:実務テンプレート
- 301マップ雛形(参考)
- 主要サーバー設定例
- GSC(グーグルサーチコンソール)「アドレス変更」チェックリスト
- 更新に付随した修正の必須ポイント
- ありがちな失敗と回避策
- はてなブログ/CMSでの即効チェック
- 計測KPI(28日ローリング)
- よくあるケース別メモ
- おまけ:社内共有用の短い手順書(参考)
- まとめ
ドメイン移転の全体像:成功パターンの5ステップ
ドメイン移転の際には、以下の5つのステップで進めるようにしてください。
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旧→新URLの1:1マッピング:すべてのURLを正確に対応付ける。
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サーバー側の301/308リダイレクト:チェーンやループを避け、恒久リダイレクトを設定。
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内部リンクとメタデータの更新:カノニカル、hreflang、サイトマップを新URLに統一。
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GSCアドレス変更:ドメイン単位の移転をGoogleに通知。
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長期監視:リダイレクトを最低180日(推奨1年)維持し、旧・新ドメインを監視。
スケジュールイメージ:実務テンプレート
ドメイン移転を成功させるための具体的なスケジュール(必要日数)になります。
運用の状況などによって変わるとは思いますが一例として参考にしていただければと思います。
7日~14日程度:事前準備
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新サイトの準備
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robots.txt:クロール制限がないことを確認。
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解析タグ(例:GA4、GTM)を新ドメインに設置。
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サーバー増強:移転直後のクロール増加に備える。
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URLマッピング作成
画像、PDF、JS/CSSなど静的ファイルも含める(雛形は後述)。 -
カノニカルとhreflangの更新方針
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カノニカル:新URLで自己参照(例:<link rel="canonical" href="https://new.example.com/page">)。
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hreflang:多言語サイトの場合、すべての言語・地域で新URLを参照。
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サイトマップ生成
新URLのみのXMLサイトマップを用意。 -
GSC準備
旧・新ドメインを同一Googleアカウントで所有者検証(ドメインプロパティ推奨)。
1日~3日:リハーサル
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リダイレクト検証
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ステージング環境で301/308リダイレクトをテスト。
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ツール:DevTools(Networkタブ)、curl -I、Screaming Frogでチェーン/ループ/HTTP→HTTPS/www非wwwを確認。
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ベースライン保存
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GSC:掲載順位、インプレッション、クリック数。
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GA4:主要ランディングページのコンバージョン率。
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サーバーログ:クロール頻度やエラー状況。
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切替当日
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サーバー側301/308リダイレクト適用
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メタリダイレクトやJSリダイレクトは避け、サーバー設定を優先。
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例(後述のサーバー設定参照)。
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内部リンクとメタデータの置換
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ナビゲーション、フッター、OGP、JSON-LDのURLを新ドメインに更新。
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サイトマップ送信
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新URLのXMLサイトマップをGSCに送信。
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旧サイトマップも当面維持し、モニタリングに活用。
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GSCアドレス変更
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旧ドメインのGSCプロパティで「アドレス変更」を実行(ドメイン間移転のみ)。
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1週間~4週間:初期監視
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GSCで確認
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クロールエラー、カバレッジ、Crawl Stats、リンク集約を日次チェック。
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トラフィック監視
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GA4/サーバーログで旧→新ドメインへのトラフィック移行を確認。
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新ドメインのインプレッション/クリックが増加し、旧ドメインが減少する曲線を追跡。
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180日以降:定期的な確認
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リダイレクト維持
最低180日、推奨1年。旧ドメインは1年間更新し、第三者取得を防止。 -
トラフィック残存の確認
旧URLにトラフィックが残る場合、リダイレクトを継続。
301マップ雛形(参考)
リダイレクトを正確に行うため、旧→新URLの1:1マッピングを作成してください。
カテゴリ統合時は上位テーマ(親)へリダイレクトするようにしましょう。
from_url,to_url,type,notes
https://old.example.com/,https://new.example.com/,301,home
https://old.example.com/category/seo/,https://new.example.com/seo/,301,category fold
https://old.example.com/post/123,https://new.example.com/blog/123,301,article ID mapping
https://old.example.com/img/logo.png,https://new.example.com/assets/logo.png,301,static file
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原則:1:1で最も近い新URLへ。パターンリライトルール(例:/post/(.*)→/blog/$1)を併用可能。
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ポイント:画像、PDF、JS/CSSなどの静的ファイルも含める。
主要サーバー設定例
サーバー側の301/308リダイレクトが最優先です。
メタ/JSリダイレクトは最終手段なので、手順がわからない場合は専門家への相談も検討しましょう。
Apache(.htaccess / vhost)
# ドメイン全体の恒久移転
RewriteEngine On
RewriteCond %{HTTP_HOST} ^old\.example\.com$ [NC]
RewriteRule ^(.*)$ https://new.example.com/$1 [R=301,L]
# パス構造変更(例:/post/ → /blog/)
RewriteRule ^post/(.*)$ https://new.example.com/blog/$1 [R=301,L]
Nginx
# ドメイン全体
server {
listen 80;
server_name old.example.com;
return 301 https://new.example.com$request_uri;
}
# パス構造変更
location ~ ^/post/(.*)$ {
return 301 https://new.example.com/blog/$1;
}
GSC(グーグルサーチコンソール)「アドレス変更」チェックリスト
ドメイン移転時にGSCのアドレス変更ツールを正しく活用できるようにしましょう。
以下チェックリストも活用できます。
更新に付随した修正の必須ポイント
移転に伴うメタデータやリンクの完全更新を忘れずに行ってください。
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カノニカル(Canonical)
新URLで自己参照(例:<link rel="canonical" href="https://new.example.com/page">)。クロスドメインcanonicalはヒント扱い。 -
hreflang
多言語サイトの全言語・地域で新URLを参照。 -
内部リンク
ナビゲーション、フッター、JSON-LD(url/@id)、画像URL、サイト内検索結果を新ドメインに置換。 -
サイトマップ
新URLのXMLを送信。旧サイトマップはモニタリング用に残す。
ありがちな失敗と回避策
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robots.txt/noindexの消し忘れ:新サイトがクロール不可になる。移転前に解除確認。
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302やメタ/JSリダイレクト:301/308以外はSEO評価の継承が不完全。
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リダイレクトチェーン/ループ:旧→中間→新を避け、1跳び(旧→新)に。
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静的ファイルの取りこぼし:画像、PDF、JS/CSSをマッピングに含める。
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複数変更の同時実行:CMS刷新やURL再設計は移転後に分離。
はてなブログ/CMSでの即効チェック
はてなブログなどCMSでの移転時の注意点をご紹介します。
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カスタムドメイン切替
テーマ、OGP、プロフィール内のリンクを新ドメインに更新。 -
内部リンク正規化
既存記事のリンクを絶対URL(例:https://new.example.com/page)に置換。 -
画像CDN
CDNドメイン変更時は301リダイレクトを設定、または新URLを再発行。
例えばはてなブログからWordpressのサイトへの切り替えを考えている方は一度、はてなブログプロを利用することも検討が必要です。
計測KPI(28日ローリング)
移転の成功を評価するために以下の指標をチェックしましょう。
移転直後は落ちてしまう可能性も高いですが、その後も戻らずにずっと低い水準の場合、移転時に設定を失敗している恐れがあります。
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GSC
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旧/新ドメイン別のインプレッション・クリック推移。
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カバレッジ:有効、リダイレクト、404件数の変化。
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Crawl Stats:新ドメインへのクロールシフト。
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GA4
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ランディング上位100URLの平均掲載順位回復曲線。
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サーバーログ
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旧URLヒットの減少、新URLヒットの増加。
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よくあるケース別メモ
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サブドメイン→別ドメイン
アドレス変更ツール使用可。wwwやm.は個別に実行。 -
http→httpsのみ
アドレス変更ツール不要。301リダイレクトで対応。 -
一部パスだけの移転
アドレス変更ツール不可。301とサイトマップ更新で対応。
おまけ:社内共有用の短い手順書(参考)
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URLマッピング完成:全URL(静的ファイル含む)をマッピング→承認。
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新サイト準備:自己参照canonical、hreflang更新、内部リンク置換。
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サーバー301設定:チェーン/ループ/200応答をQA(DevTools/Screaming Frog)。
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サイトマップ送信:新URLを送信、旧サイトマップも維持。
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GSCアドレス変更申請:旧プロパティで実行。
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日次監視:カバレッジ、404、Crawl Stats、主要キーワードの順位。
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リダイレクト維持:180日〜1年、旧ドメインも保持。
まとめ
ドメイン移転は、301リダイレクト、URLマッピング、GSCのアドレス変更ツールを活用し、計画的な実行と長期監視が成功の鍵です。
はてなブログなどCMSでは、内部リンクやCDNの更新を忘れずに行い、失敗パターン(robots.txt消し忘れ、チェーンなど)を回避してください。
GSCやGA4でトラフィック移行を追跡し、正確にドメイン移転を行い上位表示を目指しましょう。まずはURLマッピングから始め、移転準備を進めましょう!
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