「検索順位は大きく落ちていないのに、クリック数が減っている」
「全体では数値が動いているのに、何が良くて何が悪いのか分かりにくい」
この原因のひとつが、指名検索(ブランド名・サービス名など)と非指名検索(一般キーワード)を混ぜて見ていることかもしれません。
指名検索と非指名検索は、役割が違います。
指名検索は「すでに知っている人が探している状態」に近く、非指名検索は「まだ自社を知らない人との接点」になりやすいです。
そのため、Search Consoleでは両者を分けて見るだけでも、数字の見え方がかなり変わります。
この記事では、Google Search Consoleで指名検索・非指名検索をどう切り分けるかを、Branded queries filter と regex(正規表現)の使い分けを含めて実務目線で整理します。
Search Consoleの基本操作から確認したい方は、〖2026年版〗Google Search Console 完全ガイド|SEO改善に使う指標・見方・実務手順もあわせてご覧ください。
また、Search Consoleを使ったSEO改善の全体手順は、Search ConsoleでSEO改善する手順まとめで詳しく整理しています。

なぜ指名検索と非指名検索を分けて見るべきなのか
Search Consoleをそのまま見ると、指名検索と非指名検索が混ざった状態になります。
しかし、この2つは意味がかなり違います。
- 指名検索:ブランド名、会社名、サービス名、商品名などを含む検索
- 非指名検索:一般キーワードや課題系キーワードによる検索
指名検索は「すでに知っている人が探している状態」に近いため、CTRが高く出やすい傾向があります。
一方で非指名検索は、新規流入や比較検討の入口として重要ですが、SERPの競争や表示形式の影響を受けやすいです。
この2つを混ぜたまま全体CTRだけを見ると、本来見るべき変化を見落としやすくなります。
たとえば、非指名検索のCTRが落ちていても、指名検索が増えて全体では横ばいに見えることがあります。逆に、指名が減っているのに非指名が補っていて、問題に気づきにくいこともあります。
だからこそ、Search Consoleでは指名と非指名を別で見るのが有効です。
Branded queries filter で分ける方法
Googleは 2025年11月に、Search Console のパフォーマンスレポートでブランドクエリを分析しやすくする Branded queries filter を案内しました。これは、ブランドクエリと非ブランドクエリを手軽に切り替えて見られる機能です。
どこで確認するか
Search Console の「検索結果」→「パフォーマンス」画面を開き、上部の「+新規」フィルタを確認します。対応している環境では、Branded queries に近い選択肢が表示されます。
向いている使い方
この機能は、まず全体像をざっと把握したいときに便利です。
- 指名検索がどのくらいあるかを大まかに見る
- 非指名検索の露出やクリック傾向をざっとつかむ
- 全体数字の中身を早く分けて確認する
注意点
便利な一方で、これは自動分類です。Google自身も、ブランドと非ブランドを自動で分ける補助機能として案内しており、厳密な定義管理が必要な場合は、regexのような方法も引き続き有効です。
- 環境によっては表示されないことがある
- 分類は完全一致ではなく、自動判定ベースになる
- 会社名・商品名・サービス名の扱いを細かく管理したいときは不向きな場合がある
regexで指名検索・非指名検索を分ける方法
より厳密に切り分けたい場合や、Branded filter が出ない場合は、regex(正規表現)を使うのが現実的です。
Search Console のパフォーマンスレポートでは、クエリフィルタに「カスタム(正規表現)」を使い、一致・不一致で抽出できます。
基本手順
- Search Console の「検索結果」→「パフォーマンス」を開く
- 「+新規」→「クエリ」を選ぶ
- 「カスタム(正規表現)」を選択する
- 指名検索を見たいときは「一致」
- 非指名検索を見たいときは「一致しない」
指名検索用の考え方
regexでは、ブランド名や表記ゆれをまとめて定義します。
たとえば、ブランド名・サービス名・よくある表記ゆれを、パイプ | で並べて指定します。
seo日報|SEO日報|seo-nippou|SEO_nipou
必要に応じて、会社名、商品名、主要サービス名なども追加します。
非指名検索の見方
指名用の regex を定義できたら、「一致しない」を使って非指名検索を作るのが分かりやすいです。
この方法なら、「自社が何を指名検索とみなすか」を明示したうえで、それ以外を新規流入の入口として見やすくなります。
よくあるミス
- スペース入り・スペースなしの両方を想定していない
- サービス名や商品名を指名に含めるか決めていない
- 誤字や表記ゆれを後から追加していない
- 除外しすぎて一般ワードまで消してしまう
最初から完璧な定義を作ろうとするより、まずは暫定運用しながら育てていく方が実務では安定します。
指名検索・非指名検索で見るべき指標
分けたあとに見るべき指標は、基本的に Search Console の標準指標です。
- 表示回数
- クリック数
- CTR
- 平均掲載順位
大切なのは、単一指標だけで判断しないことです。
指名検索で見たいこと
- クリック数が維持・増加しているか
- 指名CTRが急落していないか
- 指名クエリの中身が変わっていないか
指名検索は、想起や認知の変化を見る補助指標として使いやすいです。
非指名検索で見たいこと
- 表示回数が伸びているか
- CTRが落ちすぎていないか
- 順位が維持されているか
- どのページ・どのクエリで変動しているか
非指名検索は、新規獲得の入口として見ると整理しやすいです。
典型的な見方
| セグメント | 傾向 | 考えたいこと | 次の一手 |
|---|---|---|---|
| 非指名 | 表示回数↑ / CTR↓ | 露出は増えているが、検索結果上でクリックされにくくなっている可能性 | タイトル・ディスクリプション・検索意図の再確認 |
| 指名 | クリック↑ | 認知や想起が強まっている可能性 | 指名流入先の導線やCV導線を点検 |
| 共通 | 表示回数↓ / CTR↓ | 需要減、順位低下、露出変化など複数要因の可能性 | ページ単位・クエリ単位で切り分ける |
非指名側で「表示回数はあるのにクリックが伸びない」と感じた場合は、GSCで表示回数はあるのにクリックが伸びないとき、どこから見直すべきか?もあわせて確認すると整理しやすいです。
週次で回すときの最小フロー
大がかりなダッシュボードを作らなくても、Search Consoleだけで十分に見られます。
- 期間を「過去7日間」と「前週比較」にする
- 非指名検索を表示する
- 表示回数・CTR・順位の変化を見る
- 次に指名検索へ切り替える
- クリック数と主要クエリの変化を見る
- 変動が大きいときだけ、ページやクエリを深掘りする
週次チェックリスト
【GSC週次チェック:指名/非指名】
- [ ] 非指名の表示回数が急減していないか
- [ ] 非指名のCTRが落ちすぎていないか
- [ ] 指名クリックが急減していないか
- [ ] 主要ページで高表示×低CTRが増えていないか
- [ ] 変動が起きた原因をページまたはクエリ単位で確認したか
よくある質問
Q. Branded queries filter が表示されません
A. 環境によっては表示されないことがあります。
その場合は regex によるクエリ分離で代替するのが確実です。
Q. 自動分類が怪しいと感じたらどうすればいいですか?
A. 厳密な分析をしたい場合は、自社のブランド定義を regex で明示して切り分ける方が安定します。
Q. 指名検索が増えたのに成果につながりません
A. サポート、採用、ログインなど、成果に直結しにくい指名クエリが増えている可能性があります。
流入先ページとクエリの中身を確認するのがおすすめです。
Q. どのくらいの期間で比較すればいいですか?
A. 週次なら前週比較、月次なら前月比較が基本です。
季節性の影響を見るなら前年同週や前年同月も参考になります。
まとめ
GSCで指名検索と非指名検索を分けると、全体数字だけでは見えなかった変化がかなり見やすくなります。
- 指名と非指名は混ぜて見ない
- Branded filter は手軽な全体確認に使う
- 厳密に見るなら regex で定義する
- 切り分けた後は、ページ・クエリ・CTRの実務改善につなげる
Search Console全体の見方を整理したい方は、Google Search Console 完全ガイドを、CTR改善までつなげたい方はSEOのCTR改善完全ガイドもあわせてご覧ください。